献身
皆が避けていた仕事を引き受けるのが献身です。献身者が引き受けた仕事は、終わってみてはじめて、その仕事がどれほど大きかったかに人が気づくことがよくあります。
Martyrは信仰のために命を捧げた人、殉教者。転じて過度に自己犠牲する人。
誰かが損をしなければ守れないものがあるとき、献身者はその損を自分で引き受けます。無理に押しつけられるのではなく、そうしてでも守る価値があると判断して選ぶのです。
周りの人は、このタイプを真面目だ、自己犠牲的だと見ます。献身者が守っているのは、引き受けた責任を最後まで負う姿勢です。苦しい時期に誰が残っているかで信頼が決まると考えています。
誰も引き受けたがらない仕事に担当者が生まれるのは、献身者がいるからです。苦しくなるほど、助けが必要だと言えないまま一人で耐えます。献身者は献身を減らすのではなく、献身しながらも助けを求め、引き受ける範囲を決めるようになって成長します。
献身者には、守るべきものが先にあり、自分の取り分はその後で考えます。善人だからではなく、順序がそうなっているのです。
これをしなければ誰が傷つくのか。この問いに答えがあれば、献身者は自分に得かどうかをそれ以上問いません。献身と責任で判断する人は、この順で問います。
献身者は責任感で組織を守ることもあれば、自分を消耗させることもあります。ほめたり止めたりするより、その二つが分かれる条件を知ることが、このタイプには実際の助けになります。
皆が避けていた仕事を引き受けるのが献身です。献身者が引き受けた仕事は、終わってみてはじめて、その仕事がどれほど大きかったかに人が気づくことがよくあります。
献身者には責任の持続と意味の感覚があるので、成果が見えない間を耐えられます。長くかかる仕事で、献身者はこの二つに支えられて持ちこたえます。
条件が悪くなっても、やると決めたことを変えない人がいると、残りの人はその姿勢を基準にします。献身者の苦痛に耐えることと道徳の基準は、状況が悪いほど、こうして表れます。
献身者は、守るべきものを先に見る人です。続く四つの段階は、このタイプが責任を引き受け、最後まで負うまでの順序です。
守るべき意味をまず見ます。
自分の取り分をさらに差し出そうとします。
苦痛に耐えながら、責任を手放しません。
献身しながらも、助けを求め、範囲を決める必要があります。
助けの要請、自己保護、境界の設定の点数が低いと、献身者は長く続けられたはずの献身を、一度にやめてしまいます。何年も持ちこたえられたのに、数か月で疲れ果てて去ります。
つらいと言えば相手の負担になると、献身者は考えます。だから苦しいほど口数を減らして一人で抱えますが、辛抱強いからではなく、その考えのせいです。
引き受ける前に、どこまで引き受けるかを一度言っておけば十分です。引き受ける量を減らすのではなく、引き受ける範囲を明らかにすることです。
献身者は苦しいときでも、相手が気まずくならないように大丈夫と言います。その言葉をそのまま信じると、近しい人は献身者に本当に助けが必要なときを逃します。
成果が遅く出る長い仕事で、献身者は最後まで残ります。一人で抱えると、その人なしではその仕事ができなくなるので、分けられる仕事は前もって分けてもらう必要があります。
献身しながらも助けを求め、引き受ける範囲を決めれば、献身者は同じ仕事をずっと長く続けられます。冷たくなったのではなく、長く続ける方法を身につけたのです。
ありがとうという言葉は、献身者にはもっと引き受けてもよいという意味に聞こえます。何を減らせばよいかを尋ねるほうが、このタイプにはお礼の言葉より役に立ちます。
以下の人物は「この人がMartyrである」と診断するものではありません。公開されている役割や代表的な場面から、近い作動方式を理解するための参考例です。
イギリスの看護の改革者。
クリミア戦争の野戦病院の改善苦しむ人のために現場へ入り、構造を変えた事例は、献身が実践へつながった場面です。
ポーランドの社会福祉士。
ワルシャワ・ゲットー · 2,500人の子どもの救出センドラーは防疫の職員の身分を使ってワルシャワ・ゲットーに出入りし、薬箱や工具袋に子どもを隠して連れ出しました。子どもたちの本名を記した名簿を瓶に入れて庭に埋めておき、戦後に家族を捜すために使いました。逮捕され拷問を受けても、名簿を最後まで明かしませんでした。
ドイツ出身の医師、神学者。
ランバレネの病院 · アフリカでの医療の献身シュヴァイツァーは神学と音楽ですでに地位を得ていた三十歳で医学を学び直し、現在のガボンのランバレネに病院を建てて、50年近く患者を診ました。ヨーロッパで演奏会と講演によって病院の運営費を集め、またアフリカへ戻る暮らしを繰り返し、1952年にノーベル平和賞を受けました。
ベルギー出身のカトリックの司祭。
モロカイ島のハンセン病の村での16年ダミアンは1873年、誰も行こうとしなかったハワイ・モロカイ島のハンセン病の隔離の村に自ら志願して入った人物です。家と教会を建て、傷の手当てをしながら16年を共に暮らし、同じ病にかかりました。病を得たあとも村を離れず、仕事を続けました。
インドで活動したカトリックの修道女。
貧しい人々のケアの活動もっとも弱い立場の人のそばに長くとどまった公のありようは、献身者の献身の面を説明する参考例です。
献身者は、誰かが損をしなければ守れないものがあるとき、その分を自分で引き受ける人です。献身者はその分を押しつけられるのではなく、自分で選びます。Beyond Personaはこの選択を善良な性格とは見ず、責任を最後まで負う力と、助けを求める力を、36の特性の中で別々に測ります。
責任感が強いというだけでは、この原型かどうかは決まりません。違いは、苦しくなったときに表れます。助けを求めるほうか、口数を減らして一人で耐えるほうかは、ふだんはなかなか見えません。無料診断の76問で最も近いタイプを確かめられ、288問の全体分析では29の原型との距離を順位で確かめられます。
どちらも自分の取り分を実際とは違うように捉えます。向きが反対です。献身者は、ほかの人の分まで自分のものとして引き受けます。自己懐疑者は、自分がやり遂げたことを自分の実力だと思いません。だから献身者はやることが増え続け、自己懐疑者はやり遂げた仕事を自分の成果として認められません。
しなくてもよいことまで、自分のせいだと考えることがよくあります。助けてほしいと言い出せずに一人で抱え、担う仕事が変わる時期には、そのやり方が通じなくなって、さらに苦しくなります。下の反復パターンは当て推量で選んだものではなく、この原型を決める特性と、各反復を起こす特性が重なる度合いを計算して出したものです。
守るべきものを先に考える順序は、なかなか変わりません。変わりうるのは、引き受ける範囲です。同じ責任感でも、引き受ける前にどこまで引き受けるかを言っておけば、数か月で疲れ果てずに何年も続けられます。同じ人が時期によって別の原型に近く出るのも、そのためです。
測定で見る軸が重なる項目です。人が選んだのではなく、測定ルールから計算しています。
自分の結果が献身者にどれくらい近いか、確認してみてください。