設計する人と見通す人は、なぜ惹かれ合うのか
設計者は、自分の設計がときどき目の前の完成だけで終わってしまうことを知っています。だから数年先を見通す戦略家のそばで、自分の設計がこの先も使えるかどうかを確かめます。
遠くを見て計画する戦略家は反対に、自分の見通しを最後まで長く残る形にできないことを知っています。細かく設計する設計者に出会うと、戦略家はビジョンを、実際に使える仕組みにできます。
システム設計者は表に出ない仕組みを細かく設計し、戦略家はその仕組みを使うことになる先々を見通します。設計者は設計する人で、戦略家は見通す人です。
設計者と戦略家が一緒にいると、設計者は仕組みを立てる方向を得て、戦略家はビジョンを実際の形にする手段を得ます。以下では、二人がどんな点で一緒に長く続くものをつくり、どんなことで合わないのかを、いくつかの角度から書きました。
設計者は、自分の設計がときどき目の前の完成だけで終わってしまうことを知っています。だから数年先を見通す戦略家のそばで、自分の設計がこの先も使えるかどうかを確かめます。
遠くを見て計画する戦略家は反対に、自分の見通しを最後まで長く残る形にできないことを知っています。細かく設計する設計者に出会うと、戦略家はビジョンを、実際に使える仕組みにできます。
二人のいちばんの強みは、ビジョンと仕組みが途切れないことです。戦略家が進む方向を決めると、設計者がその方向を長く保つ仕組みを設計します。ビジョンだけなら形がなく、仕組みだけなら今までのやり方から抜け出せませんが、二人が一緒にいるとき、先を見通しながら、しかも長く続くものをつくれます。
二人が、長く続く安定と先々への備えを一緒にそなえるのは貴重なことです。設計者が変わらない基本を守り、戦略家がこれから来る変化に前もって備えれば、状況が急に変わっても、組織や作業を長く続けていけます。
設計者の細かな設計を頼りにしていた戦略家が、その設計の融通のなさをもどかしく思う日が来ます。戦略家の遠くを見る見通しに惹かれた設計者も、その見通しのあいまいさを不安に思う日が来ます。二人は、初めに頼もしく思ったまさにその点のせいで、後になって相手を遠く感じます。
設計者は今の設計を仕上げることに打ち込み、戦略家はまだ来ていない先のことばかり話します。二人が設計者の精密さと戦略家の見通しを両方使えなければ、設計者は今までのやり方から抜け出せず、戦略家は空想ばかりすることになります。
二人がいちばんよく経験する対立は、どれだけ先まで見るかが違うことから生まれます。設計者は今動いている仕組みを守ろうとし、戦略家は数年先のためにその仕組みを変えようと言います。安定を望む人と変化を望む人が、よく言い争います。
もっと深い危険は、一人は抽象的に話し、一人は具体的に話す点にあります。設計者が融通をきかせずに規則だけを守り、戦略家が具体的でない大きな計画ばかり話すと、二人は同じことを、違う次元で話すことになります。
ビジョンを決める戦略家と、仕組みをつくる設計者が、一緒に組織を守ります。大きな方向は戦略家が受け持ち、細かな実行は設計者が受け持ちながら、どれだけ先まで見るかを互いに調整するとき、組織はしっかりします。
安定を守る設計者と、先々を見通す戦略家がバランスを取ります。設計者は日常の基本を守り、戦略家は遠くを見る計画を立てながら、具体的な言葉と抽象的な言葉を互いにこまめに合わせる必要があります。
深く真剣な間柄になります。軽い雑談より、仕組みと先々を一緒に設計する会話のときによく通じ、一度気持ちが通じると長く親しく過ごします。
子どもは秩序と遠くを見る目を一緒に学びます。ただし、規則のせいで子どもが変われなくならないよう、先々を一緒に想像する時間を残しておく必要があります。