RECURRING LOOP · 欲・お金・時間

刺激に時間を奪われる

「5分だけ」と開いた画面から、2時間たってようやく離れたことはありませんか? 刺激に時間を取られるのは、意志が弱いからではありません。画面を開く理由は人によって違います。

刺激に時間を奪われるはなぜ繰り返されるのか

画面を開く理由は三つあります。一つ目は新しさを求める人で、新しいコンテンツ、新しいニュース、新しい刺激がくれる小さなごほうびに反応する「新しい刺激を探し回る」タイプです。二つ目は逃げる人で、避けたいことや感情があるときに、いちばん近くにある画面に逃げる「やることから逃げ込む」タイプです。このタイプは、画面のせいではなく別の問題のせいで画面を開きます。三つ目は、楽しいわけでも逃げているわけでもないのに、少しでも手が空くと考えもせずに画面を開く人、「習慣のように続ける」タイプです。

同じように2時間画面をスクロールしていても、理由が違えば方法は正反対です。新しさを求める人には、代わりになる楽しみが必要です。「やることから逃げ込む」タイプは、画面ではなく避けている対象のほうを片づける必要があります。「習慣のように続ける」タイプは、意志に頼らず、画面を開きにくくなる条件を作る必要があります。この文書で、まず自分が画面を開く理由を確かめてみてください。

刺激に時間を奪われるにも種類があるのか

タイプひと言の場面
新しい刺激を探し回る“新しさを追いかける”
やることから逃げ込む“逃げ込む場所”
習慣のように続ける“自然と開いてしまう人”
TYPE 1 · 新しい刺激を探し回る

刺激に時間を奪われる 1つ目のタイプ · 「新しさを追いかける」

このタイプの刺激に時間を奪われるはなぜ生まれるのか

この人にとって刺激的なメディアは、嫌なことを避ける道具ではなく、それ自体が楽しいものです。静かになった瞬間、何の刺激もない空いた時間がとりわけ居心地悪くて、すぐに次のフィードを開き、次のゲームを始めます。一つの動画が終わる前に次が気になり、短く頻繁なごほうびに慣れているので、ゆっくりした穏やかなことは退屈にしか感じられません。「やることから逃げ込む」タイプが向き合いたくない現実があってメディアを開くのだとすれば、この人は逃げたい現実が特になくても、新しさそのものに引き寄せられます。「習慣のように続ける」タイプのように、無意識に開くわけでもありません。開くときは、はっきり面白そうだと思って開いています。問題は、時間がたつほど短く頻繁なごほうびに慣れて、その速さを当たり前に感じるようになることです。すると、本を一ページ読む、散歩をひと回りするといったゆっくりした活動がだんだん耐えがたくなり、刺激的なメディアに使う時間が日ごとに少しずつ増えていきます。新しさを求める気持ちそのものは悪くありませんが、その気持ちを向けるほかのことがないと、一日じゅう新しい刺激ばかり探す癖になってしまいます。

どんな場面で現れるのか

ショート動画をスクロールするとき、今見ているものがつまらないからではなく、次のほうが面白そうなので先に送ってしまいます。再生したばかりの動画を最後まで見ずに送ってしまい、そうして飛ばした動画が何十本にもなります。ゲームでは「一回だけ」がなかなかできません。一回終わると、次は何か違うことが起きそうな気がして、またスタートボタンを押します。勝ち負けのためではなく、次の一回がどうなるか気になってやめられないのです。買うものもないのにショッピングアプリを開いて、新しく出た商品を延々と見ていきます。カートに入れるつもりはなく、ただ初めて見る物が次々と出てくるその流れが楽しくて、画面をスクロールします。そうしてふと顔を上げると、いつの間にか夜が更けています。

いつ強まり、いつ収まるのか

やることの合間に中途半端な時間が空いて、特にすることもなく退屈なときに、いちばんよくスマートフォンを手に取ります。新しい通知が多い環境や、初めて見るコンテンツが次々と出てくる環境ほど、ますます頻繁に開きます。逆に、今していることそのものが十分に新しく、没頭できるものなら、メディアのことはあまり思い浮かびません。旅行先や新しく始めた仕事のように、新しいことが多い時期には、刺激的なメディアをあまり開きません。

よくある誤解は何か

周りの人はこの人のことを、我慢が足りないとか、一つのことにじっくり取り組めないと言いがちです。けれど本人は、何かにはまれば誰よりも没頭するのに、その没頭する対象がよく変わるだけなのです。外からは気が散りやすく見えますが、この人は新しいものをほかの人より速く、強く感じる鋭い感覚を持っています。意志が弱いのではなく、その感覚を生かす場をまだ見つけていないのに近いのです。

何から変えればいいのか

この人は、新しさを求める気持ちをなくそうとすると、かえってもっと求めるようになります。ですから、その気持ちをなくそうとせず、使う時間を決めておきます。刺激的なメディアを一日じゅういつでも使うのではなく、夜に一回のように時間を決めておき、そのときは思う存分見るのです。欲求を抑えるのではなく、一日じゅう少しずつ見ていたものを一度にまとめて見る方法です。刺激そのものが楽しくて開くこの人は、決めたその時間をかえって楽しみに待つようになり、その時間がごほうびになります。同じ方法を、現実が嫌で逃げている人に勧めると事情が変わります。メディアを決まった時間にしか使えないようにしても、逃げたい現実はそのままです。その人は使えなくなったメディア以外の場所に逃げるだけで、同じように時間を失います。

この説明が合わない場合とは

メディアを開く直前がいつも、やりたくないことや居心地の悪い気持ちに向き合おうとした瞬間だという人もいます。そのメディアが特に面白いわけでもないのに逃げるような気持ちで開いたのなら、「新しい刺激を探し回る」タイプではありません。新しさではなく、避けることが理由の人なので、「やることから逃げ込む」タイプを見てみるほうが合っています。

根拠: 感覚追求の気質の研究 (新しく強い刺激を求め、退屈に耐えにくい気質を扱った研究)

TYPE 2 · やることから逃げ込む

刺激に時間を奪われる 2つ目のタイプ · 「逃げ込む場所」

このタイプの刺激に時間を奪われるはなぜ生まれるのか

この人にとって刺激的なメディアは、楽しいものというより、困ったときに逃げ込む場所です。メディアがとても面白いからではなく、今向き合うべきことや、不安で居心地の悪い気持ちから少しの間離れるために開きます。時間をつぶそうとしたのではなく、逃げているうちに時間が過ぎたのです。メディアを開くタイミングはいつも決まっています。やるべき課題を前にしたとき、気の重い連絡を控えた瞬間、気持ちが居心地悪くなる直前です。「新しい刺激を探し回る」タイプは、新しさが好きでメディアを開きます。この人はメディアがどれほどつまらなくても、今の居心地の悪さを少し先延ばしにできさえすれば、それで十分なのです。無意識に開く「習慣のように続ける」タイプとも違います。開く瞬間に、今何かを避けていることをぼんやりと分かっています。時間がたつと、居心地が悪くなるたびに自然と逃げ場を探すことに慣れてしまい、肝心の避けていることは手つかずのまま、たまった仕事をますます多く残していくのです。すると、たまった仕事のせいでさらに居心地が悪くなり、居心地が悪くなったこの人は、またメディアを開くことを繰り返します。

どんな場面で現れるのか

報告書を書かなければならないのに最初の一行で手が止まった瞬間、思わずスマートフォンを手に取ります。画面を開くのは、何かが見たいからではなく、その途方に暮れる気持ちから少しでも離れたいからです。ショート動画をスクロールしていても、実は内容はあまり覚えていません。次の動画が気になるからではなく、スクロールしている間はその仕事のことを考えなくていいので少し気が楽になり、スクロールし続けるのです。気の重い連絡を控えているときも同じです。返信を書かなければならないのに、その画面を閉じて別のアプリを開きます。そうしてふと我に返ると2、3時間が過ぎていて、避けていた仕事はそのまま残り、さっきよりも重く感じられます。

いつ強まり、いつ収まるのか

負担な仕事や向き合いたくない気持ちにすぐ向き合わなければならないときに、いちばん早く逃げ出します。やるべきことが大きくて手のつけようがないほど、失敗が怖いほど、逃げ場を早く探します。逆に、気持ちが落ち着いていて、今特に避けるものがないときは、メディアのことはあまり思い浮かびません。目の前の仕事が小さく分けられていて負担が少ないときも、わざわざ逃げる理由がないので、メディアをあまり開きません。

よくある誤解は何か

怠けて仕事を先延ばしにしていると誤解されがちですが、この人はむしろ、その仕事をあまりに重く感じて手をつけられずにいるのです。周りからは気楽にスマートフォンばかり見ているように見えても、心の中では先延ばしにした仕事がずっと気にかかっていて、ゆっくり休むこともできません。逃げている間が楽しいわけでもありません。表向きはのんきに見えても、心の中には向き合うのがつらい不安があります。

何から変えればいいのか

この人には、メディアを遮ることより、自分が何から逃げているのかを知ることが先です。メディアを開くまさにその瞬間、今何が居心地悪くて開くのかを、一言で言ってみます。報告書、あの連絡、怒られるのが怖い、といった言葉です。画面を開くのはいつも本当の問題が差し迫っているときなので、その一言を口にした瞬間、画面ではなく問題のほうを考え直すことになります。逃げている対象がはっきりしているこの人には、この方法がよく効きます。ところが、逃げたい気持ちもなく、ただ癖でスマートフォンを開く人に同じことをさせても、言う言葉が浮かびません。避けているものがそもそもないので、「今、何を避けているんだろう」と聞いても答えられないのです。その人に必要なのは、避けている対象を言葉にすることではなく、スマートフォンを開く動作そのものを難しくすることです。

この説明が合わない場合とは

もしメディアを開くとき、避けたい居心地の悪さも先延ばしにした仕事も特に思い浮かばず、ただ開いていただけなら、「やることから逃げ込む」タイプではありません。避けようとしたのではなく、自覚のないまま癖で開いたのですから、「習慣のように続ける」タイプを見てみるのが合っています。つまらないのに新しさが楽しくて開いたのなら、「新しい刺激を探し回る」タイプかもしれません。

根拠: 自己からの逃避の研究 (居心地の悪い自己意識から離れるために、別の刺激に没頭して避ける対処を扱った心理学の研究)

TYPE 3 · 習慣のように続ける

刺激に時間を奪われる 3つ目のタイプ · 「自然と開いてしまう人」

このタイプの刺激に時間を奪われるはなぜ生まれるのか

この人は、理由を考える前にもうスマートフォンを手に取っています。「新しい刺激を探し回る」タイプのように新しさが好きなのでも、「やることから逃げ込む」タイプのように逃げたい現実があるのでもありません。ごほうびが大したものではないと分かっていながら、特に何も感じずに画面を開き、いつものアプリを開きます。やめるべきときを逃すのは、始めたこと自体に気づいていないからです。いつ開いたんだろうと思ったときにはもうしばらく見ていて、あとになってようやく自分が見ていることに気づきます。楽しさや逃避のようなはっきりした理由はなく、長く繰り返して癖になったこと自体が理由です。手が空いた瞬間ごとに、何気なくその動作を繰り返します。時間がたつほど、この人はますます簡単にスマートフォンを手に取るようになり、エレベーターや信号を待つ数秒の隙間にもスマートフォンを持っています。特別な楽しみもないまま時間だけが静かに過ぎていくのに、本人はその時間が過ぎたことにさえ、あまり気づいていません。

どんな場面で現れるのか

画面を開くのに理由はありません。ポケットからスマートフォンを出し、ロックを解除し、いつものアプリを開く動作を一度に続けてしてしまうので、気がつくともうフィードをスクロールしています。見ていた画面を閉じたと思ったら、数秒後に同じアプリをまた開きます。新しいものが出たわけでもないのにショッピングアプリを開いて、昨日見た一覧をもう一度そのままスクロールします。買いたいものも見たいものもなく、ただいつもの動作を繰り返しているのです。信号を待つ数秒、エレベーターの前の数秒にも、いつの間にかスマートフォンを手にしています。そうしてふと時計を見ると2、3時間がたっているのに、その間に何を見たのか、思い出せる場面がほとんどありません。

いつ強まり、いつ収まるのか

やることのない短い隙間ができた瞬間や、スマートフォンがいつも手の届くところにあるときに、何気なくスマートフォンを手に取ります。特に退屈だという感覚すらなくても、慣れた動作を何気なく繰り返します。逆に、スマートフォンが別の部屋にあったり、かばんの奥にしまってあってすぐ手が届かなかったりすると、開こうという気持ちさえあまり起きません。皿洗いや運転で両手を使っているときも、めったにスマートフォンを手に取りません。

よくある誤解は何か

周りの人は「そんなにスマートフォンが面白いの?」「何をそんなに熱心に見ているの?」と聞きますが、本人は面白くて見ているのではありません。聞かれても何を見ていたのかうまく答えられないのは、実際に大した内容がないからです。怠けているのでも、何かにはまっているのでもなく、慣れた動作を何気なく繰り返しているだけなのです。外からはスマートフォンがとても好きな人に見えますが、実はその時間が楽しくもないことを、本人も分かっています。

何から変えればいいのか

この人には、気を引き締めなさいという言葉はあまり通じません。自覚なく繰り返している手の動きなので、その瞬間には引き締める気持ちそのものがないからです。ですから、気持ちではなく動作そのものを変えます。よく開くアプリを消すかログアウトしておき、スマートフォンを別の部屋に置きます。何気なくスマートフォンを手に取ることと、実際にアプリを開くことの間に、面倒な手順をもう一つはさむのです。慣れた動作をそのまま繰り返そうとして一度止められると、そのときようやく「自分は今、なぜこれを開くんだろう」と気づけます。一方、新しさが好きでメディアを開く人に同じ方法を使っても、効果は弱いのです。その人にとってアプリを消すことは少し面倒なだけなので、代わりに使う別のアプリや新しい刺激をすぐに見つけてしまい、この方法が役に立たなくなります。

この説明が合わない場合とは

もしスマートフォンを開くたびに、何か新しいものが出ていないかという気持ちが先に立ち、その新しさが実際に楽しかったのなら、このタイプではありません。癖ではなく新しいごほうびが理由なのですから、「新しい刺激を探し回る」タイプを見るほうが合っています。開く直前にいつも避けたい仕事が気にかかっていたのなら、「やることから逃げ込む」タイプです。

根拠: 習慣の自動性の研究 (大したごほうびがなくても、きっかけさえあれば何気なく繰り返してしまう習慣の仕組みを扱った研究)

刺激に時間を奪われるについてよくある質問

Q. スクリーンタイムを見てショックを受けました。アプリを消したほうがいいですか?

まず、なぜ開くのかを確かめる必要があります。「やることから逃げ込む」タイプがアプリだけを消しても、ほかの逃げ場(別のアプリ、間食、眠り)に移るだけだからです。アプリを消して効果があるのは、「習慣のように続ける」タイプ(いつもの癖で開く動作ができなくなる)と、「新しい刺激を探し回る」タイプの一部です。消す前に三日だけ記録してみてください。画面を開くたびに「今、何をしていて、どんな気分で開いたか」を一行ずつ書きます。パターンが分かれば、方法は自然に決まります。

Q. 仕事をしたくないたびに、スマートフォンを手に取ってしまいます。

「やることから逃げ込む」タイプの典型で、問題はスマートフォンではなく、その仕事のほうにあります。仕事が負担な理由(大きすぎる、あいまいだ、怖い)を解決しない限り、逃げ場を探し続けることになるのです。応急処置としては、逃げている時間に上限を設ける方法(「10分のタイマーが鳴ったら戻る」)がありますが、根本的にはその仕事のほうに手を入れる必要があります。負担な仕事の最初の段階を10分で終わる大きさに区切っておくと、逃げたい気持ちそのものが小さくなります。先延ばしの文書で扱ったのと原因は同じです。

Q. 見る時間を減らしたいのに、アルゴリズムが強力すぎます。

そのとおりです。相手は何千人もの専門家が作ったものなので、意志だけで勝とうとするのは、最初から不利です。ですから意志に頼らず、設定を変える必要があります。自動再生をオフにする、通知をすべて切る、ホーム画面からアプリを隠す、フィード型のアプリはログアウトしたままにしておく、といったことです。一つひとつはささいに見えても、開くまでの手間を10秒増やすだけで、何気なく開くことはずっと少なくなります。意志で踏ん張ろうとせず、条件を変えてください。

Q. 見たあとはいつも後悔するのに、どうしてまた見てしまうのでしょう?

ごほうびを受け取るタイミングが違うからです。開いた瞬間にはすぐ小さな楽しさを感じますが、むなしさを感じるのは2時間後です。人はすぐに得られるごほうびに、ずっと強く反応します。変えるべきなのは、開く瞬間です。そのときに、あとの気分を思い出せばいいのです。ロック画面に「2時間後の気分は?」と書いておくという単純な方法が、意外によく効きます。そして、代わりにすることを良いものにしておきます。後悔しない気分転換(散歩、音楽、短い昼寝)のリストを前もって作っておくと、休みたいときに最初に選ぶものが変わります。

この説明をどう受け取ればよいか

この文書は自己理解を助けるための行動パターンの説明であり、医療・心理の診断や相談に代わるものではありません。日常生活が揺らぐほどの困難が続く場合は、専門家の助けを受けることをお勧めします。

このページのタイプ説明は一般的な構造です。 測定を終えると、自分の気質の組み合わせで実際に表れたパターンと強度、自分に合う一歩が、個人向けの文書として提供されます。

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